お知らせ / 議会報告2024/09/24

2024年9月の三鷹市議会(令和6年第3回定例会)石井れいこ一般質問「意見を聴くだけで終わらない、市民と対話するまちへ」

2024年9月の三鷹市議会(令和6年第3回定例会)石井れいこ一般質問「意見を聴くだけで終わらない、市民と対話するまちへ」

三鷹市議会(令和6年第3回定例会)

2024年9月3日 石井れいこ一般質問【動画】

テーマ:意見を聴くだけで終わらない、市民と対話するまちへ

1.インクルーシブ教育の進め方について
2.長期欠席傾向にある子どものための教室「A-Room」について
3.天文台敷地北側ゾーンの土地利用における学校統廃合、自然破壊について


以下2024/9/3 令和6年第3回定例会(第3号)の私の一般質問の全文です。

2024-9-3:三鷹市議会令和6年第3回定例会(第3号) 本文

市政に関する一般質問

◯石井れいこ
おはようございます。質問させていただきます。
 1997年、本市において、学校に行かない選択をした子、いわゆる不登校(以下「不登校」という。)やいじめ問題に対応することを目的として、市独自の予算でスクールカウンセラー、学習指導員の配置を進めました。しかし、それから25年がたった2022年、不登校の数は年々増加し続け、小学生では2021年から3倍の人数へ、いじめの認知件数も2倍へ増加しました。現場の方々の頑張りには敬意を表しますが、現在の制度設計には問題を持たざるを得ません。
 昨年の9月4日の第3回定例会の一般質問において、私は、誰もが分け隔てられることなく共に生きられる社会、フルインクルーシブ社会を実現することこそが希望の持てる社会なのだと考える旨の発言をしました。これについて市長と教育長は、一歩一歩前進するように努力していきたいと、しっかり申し上げたいというような答弁でした。では、その一歩一歩の具体的な実現についてお伺いします。
 1、意見を聴くだけで終わらない、市民と対話するまちへ。
 (1)、インクルーシブ教育の進め方について。
 「インクルージョンと教育、全ての人とは誰一人取り残さないこと」と題したユネスコのグローバルエデュケーションモニタリングレポート2020(以下「事務レポート2020」という。)でアドバイザリーボード議長のヘレン・クラーク氏は次のように指摘しました。全ての人を包摂するインクルーシブ教育の是非を論じることは、奴隷制度やアパルトヘイトの廃止と同等の必然性を持って議論されなければならないと。
 質問1、本市において、このインクルーシブ教育について、奴隷制度やアパルトヘイトの廃止と同等の必然性を持って議論されているのか、伺います。
 質問2、本市を含む日本の多くの自治体において、インクルーシブ教育が進んでいるとは到底言えない状況だと推察しますが、本市の状況について所見を伺います。
 今年、三鷹市教育委員会において、インクルーシブ研修会を実施したことを評価します。
 質問3、この研修会の内容及び成果、今後の拡充予定について伺います。
 ユネスコの事務レポート2020では、理念に基づいて進めていくプロセスそのものがインクルーシブ教育だとしています。常によりよい方法を模索し続けていくことがインクルーシブ教育なのだという考え方はとても重要です。
 質問4、障がいによって生み出された障壁は個人の責任であり、治療によって社会に適応しなければならないとする個人モデルの考え方から、障がいは社会の側にあり、社会の側の工夫や努力、改革などによって解決するべきであるという社会モデルの考え方へ転換することが重要で、社会的障壁、そして合理的配慮の理解なしにはインクルーシブ教育が進まないと考えるが、所見を伺います。
 2022年、大阪府吹田市は、大学と教育・研究交流連携事業に関する協定を締結。社会モデルの考え方に基づき、学校をインクルーシブな空間にするため、その担い手である教職員の育成に協働で取り組み、各校で教職員研修プログラムを展開しています。研修は授業の中でも行われ、例えば車椅子ユーザーが多数派の社会だったらというテーマで、健常者とされる人の数が少ないまちについて皆で考えます。その社会では全てが車椅子用になっているため、健常者は天井が低いため頭をぶつけ、テーブルには椅子が設置されておらず座れない、自動販売機の高さが低いなど、困り事をクイズのような形で楽しみながら理解し、社会モデルが学べる授業内容です。こうしたプログラムを続けることにより、個人モデルを児童・生徒に強要し、自らも対応に苦しんでいた教職員からは、多様性を受け入れられるようになり、考え方に深みが出て楽になったという喜びの声が聞かれます。
 質問5、本市においても、大学などの教育研究機関と同様の協定を結び、教職員研修を行うべきと考えるが、所見を伺います。
 (2)、長期欠席傾向にある子どものための教室「A-Room」について。
 今年6月、適応支援教室A-Roomを視察しました。A-Roomは教員免許状を有している学習指導員が支援し、在籍校と連携しながら、児童・生徒一人一人が在籍する学校への復帰を目指す場です。A-Roomの登下校と在籍校の児童・生徒の登下校のタイミングがかぶらないように配慮されているそうですが、この教室に通う子の傾向として、いじめが原因で在籍校に通えないわけではなく、学校の勉強についていけない子が多いと伺いました。
 質問6、いじめが原因ではないのに、なぜ在籍校の登下校と自分の登下校の時間がかぶらないようにするのか、理由を伺います。
 質問7、第一中学校で開設しているA-Roomに通う子が、休み時間も教室にいたまま校庭で遊ぶことがないと伺いましたが、そもそも校庭で遊ぶことは禁じられているのか、もしくは遊ぶ時間が何曜日の何時など限定されているのか、伺います。
 質問8、A-Room利用時は給食が提供されない児童・生徒もいますが、提供できない理由と提供するためにはどのようなことが必要か、伺います。
 (3)、天文台敷地北側ゾーンの土地利用における学校統廃合、自然破壊について。
 質問9、昨年12月、羽沢小、大沢台小、七中の児童・生徒からの声を集めた、国立天文台周辺地域土地利用基本構想策定に向けた基本的な考え方(案)に関するアイデアカードの内容について、どのように受け止めているのか、伺います。
 この児童・生徒が書いたアイデアカードの中には、自然破壊を懸念する声がありました。温暖化の進む日本、そして地域に残されるのは、これからを生きる今の子どもたちです。子どもたちの声としては、例えば次のようなものがありました。学校を造るのは自然にも悪い。東京は緑が少ないのに減らすとかあり得ない。天文台の動物たちの居場所は。説明では自然を手入れしながらとあるのに、自然を破壊するのはどうかと思います。自然を大切にしたいなら、学校を造らないほうがいいと思う。せっかくたくさんの自然があるのに学校を造ったら減ってしまう。天文台に学校を移動するお金で天文台の森をきれいにしたほうがいい。1,000年に一度の災害に備えるのもばからしいような気がするというような意見があります。
 質問10、このアイデアをカードを書いた児童・生徒と、その後どのように対話を行っているのか、詳細を伺います。
 三鷹市在住の小学生えいとさん、8歳が天文台の自然を守ってと行っているネット署名では、今朝の賛同者数は1万7,980人となっています。今、天文台の北側開発の問題は、日本の自然破壊の1つの問題、共有財産の問題となっています。
 質問11、未来を生きる子どもたちと対話を重ねていくことは非常に重要です。教育長の所見を伺います。
 天文台周辺の計画については、大沢エリア以外の方からは、知らなかった、広報だけじゃ内容が分からないといった声を聞きます。
 質問12、三鷹市7つの全住区にて、国立天文台周辺のまちづくりの説明会を開き、市民からの声をいただき、対話を重ねるべきと考えますが、所見を伺います。
 以上、よろしくお願いします。

●市長(河村 孝さん)
皆さん、おはようございます。それでは、私のほうから、まず御答弁申し上げます。
 最後の質問の12、全住区における説明会の開催についてでございます。国立天文台周辺地区のまちづくりにつきましては、これまで様々な関係者への説明会を行ってきました。そして、事業に直接関係する羽沢小学校及び大沢台小学校における職員による説明つきパネル展示のほか、広く市民の皆様に取組の内容を御紹介するために、広報特集号の全戸配布や「みる・みる・三鷹」などによって、周知、説明の工夫を行ってまいりました。さらに、御意見や御質問を常に受け付ける体制も継続しております。そのため、新たに全ての住区で説明会を開催するのではなく、多様な手段による情報発信に取り組み、今後も市民の皆さんや地域の皆様の理解を深めていきたいと考えております。
 私は確かに子どもたちの署名もいただきました。実際に会って面談もしました。20人近い方ですかね、子どもたちが来て、保護者の方もいましたが、その中で、署名にもちろん積極的に協力した子どもたちだと思いますが、この中で天文台に行った方はいらっしゃいますかと聞いたら、3分の1から半分ぐらいですかね、行ってないというふうに素直に手を挙げていただいて、緑とか森とか、そういうことにそのイメージで答えて署名なんかしていらっしゃるのかなというふうにちょっと推察しました。意見交換の時間自体はそんなに多くなかったので、もちろんいろんな意見があったかもしれませんが、積極的に御発言する子どもは、やっぱり慣れないところでありますからね、少なかったというふうに思っております。そういう意味で、保護者の方からも、海外の例なども引きながらお話をされる中で、実際に知っていらっしゃる方も多いと思いますが、天文台を見れば、実際かなり竹やぶの荒れた土地でございますから、そういう意味で、手を入れることは必ずしも悪くない、守り育てることが必要だということについては御賛同いただきましたから、細部にわたってこれからいろんな議論が展開される中で、そういう意味で、絶対反対とかいう話ではなくて、手を入れながら緑を大切にしていこうという市の姿勢には賛成していただいたものと私はその場で理解しました。
 先日、おおたかの森という駅があるんですけれども、それは流山市にありまして、そこの市長さんにお話を聞いたところ、やっぱり危険な緑もある。まず、緑という言葉で全てが許されるわけではなくて、そういう意味で、親しみやすい緑、触れることのできる緑とそうではない緑というのがあって、おおたかの森というのはそういうものを象徴している言葉として駅名につけて、非常に評判がいいというふうなお話を聞きました。そういう意味で、単純にというふうには思いませんけれども、自然環境を守るということが、単純な何でもかんでもみんな守るという話ではないという視点に立って、私は今、行政を進めているところでございます。
 天文台の森につきましても、そういう意味で生きた森にする、市民の人に触れて親しめる緑にしていくということが私の姿勢でありますから、なるべく御指摘のように、守らなければいけない木もあります。でも、そうではなくて、人が入れない、竹やぶで入れないんです。そういう意味では、大自然で入っちゃいけないところとやっぱり区別して考えなければいけないなというふうに思っていますので、都会の中の緑の在り方、それを私は追求していきたいというふうに思っています。
 私からの答弁は以上でございます。ありがとうございました。

●教育長(貝ノ瀬滋さん)
私からは、質問の1と2のインクルーシブ教育の進め方についてお答えいたします。
 インクルーシブ教育が目指す、障がいのある子もない子も同じ場で学ぶという共生社会の実現の理念でございますけれども、これは教育委員会でも賛同しておりまして、その実現に向けて本市の教育支援推進委員会においても議題として取り上げています。委員会の協議では理念につきましては全委員さんが賛同してくれていますが、子どもの自立と社会参加を考えた際に、子ども一人一人に適した学びの実現が必要だと、そういう意見もいただいているところでございます。その上で、三鷹市立小・中学校の全てで実施となると課題として挙げられることは、教育課程の編成とそれを実施するための専門性の高い教員の確保、障がい等に応じた環境整備等、多くの現実的な課題があります。現時点において、三鷹市ではこうした環境整備が整っていない状況ですが、本市においては全ての子どもの自立と社会参加を見据えて、障がいのある子もない子も可能な限り同じ場で共に学ぶことと、個に応じた学びを両立するインクルーシブな教育の充実に努めていきたいというふうに考えています。
 質問の3番目、インクルーシブ研修会の内容と成果、今後の拡充予定について。せんだって研修会を行いましたが、御質問者からは評価いただいて感謝いたしますが、インクルーシブ教育が求められる背景やどのような子どもたちを育てていくか、ほかの自治体の取組状況を講師の先生から御指導いただきました。成果としては、インクルーシブ教育は子どもの人権の問題として捉えていくべきであるということですとか、ほかの自治体でも課題があり取組がなかなか進まないということなどの現状を、教育委員会だけでなく、校長や議員の方々と共有できたことと捉えています。今後は、広く国や東京都の担当者、それから先進的に取組を行っている自治体、また断念をされた自治体もありますので──近所にですね。そういう学校の現場の先生やそういう自治体の方々を講師に招聘して、継続して研究に取り組んでいきたいというふうに考えています。
 質問の4つ目、個人モデルから社会モデルへの考え方の転換について。教育ではこれまで、子どもたちが将来社会的に自立ができるように個人の資質、能力を育てていくことが目的となるため、議員の御指摘の個人モデルの考え方がどうしても強くなって、社会の側の工夫や努力などの社会モデルの考え方は不十分であるというふうに私も捉えています。今後は、社会モデルの考え方があることを教育に関わる職員が理解を深めて、個人モデルの考え方と両立が図られることが重要であるというふうに考えます、あれかこれかではなくてですね。また、子どもたちの人生は教育分野だけでは完結しないため、社会全体でこの考え方を共有して、インクルーシブな社会が形成されるように、できることから1つずつ積み上げ、進んでいくことが大切であるというふうに認識しています。
 質問の5つ目、大学等の研究機関と協定を結んで実施する教員研修についてでございますが、子どもたちへの指導や支援を担う教員の教育に対する考え方を深めるということは、とてもこれは重要なことであります。インクルーシブ教育の実現のためには、教員の資質向上は絶対に欠かすことができないことの1つでございます。議員御提案の研究機関との協定の可能性も視野に入れながら、これからの時代を担う教員研修の計画実施に取り組んでいきたいというふうに考えます。
 質問の6つ目、適応支援教室A-Roomの登下校の時間の配慮の理由について。適応支援教室A-Roomの開室を検討した際に、通うことが見込まれる児童・生徒の多くが早い時間での登校が難しいことや、議員が御指摘のいじめが原因ではありませんけれども、多くの人がいる状況に苦手さを感じると、そういうデリケートな子はかなり多いわけでありまして、そういう子に対しても十分配慮しなければならない。教室に通う児童・生徒の心情に寄り添った配慮ということで、時間差を設けているということです。一緒にもちろん来ても構わないんですけどね、そういうことです。
 それから、質問の7つ目、休み時間での校庭の利用について。適応支援教室A-Roomで、休み時間に校庭で遊ぶことを禁止しているということはありません。第一中学校の休み時間に校庭で遊ぶことは可能ですけれども、A-Roomに通うお子さんが、多くの一中生が校庭で遊んでいる中に、さっきのことと同じですけれども、出ることが難しいようですので、現状では校庭で遊ぶ児童・生徒はいないという、そういう現状、現実があるということです。
 質問の8つ目です。A-Roomを利用する児童・生徒に対する給食提供についてでございますが、A-Room開室時には弁当持参の児童・生徒が多くて給食提供の要望はなかったことから、現在、第一中学校在籍の生徒のみ給食提供を実施しております。第一中学校在籍以外の生徒への給食提供につきましては、食物アレルギーがある場合の対応ですとか、小学生については学校給食摂取基準によって、小学生と中学生では栄養摂取量が違うために、中学校で作った給食をそのまま小学生に提供するということは困難な状況という課題があるために、本人や保護者の方ともよく相談をしながら、実施可能な方法を今後検討していきたいというふうに考えています。
 質問の9、10、11、おおさわ学園の3校の子どもたちのアイデアへの受け止め方、対話、そして状況についてお答えいたします。
 私としても、未来を生きる子どもたちと対話を重ねていくということは、教育そのものというふうに考えてもいいと思いますが、大変重要と考えています。その一環として、昨年12月にはおおさわ学園の児童・生徒に対して説明をして、アイデアをいただきました。その受け止め方については、御指摘のように自然破壊を懸念する声もありました。しかし、例えば羽沢小と大沢台小、第七中が1つになることによって新たな交流が生まれるので歓迎するとか、自然と触れ合うことができる学校になることはとてもよいことだとか、天文台と連携した学びも期待できるとか、天文台周辺地区の防災機能の向上や障がい施設の誘致等への期待など、この構想に対する前向きな意見も多数いただいているところでございます。この構想に対する反対というお立場からで、例えばアイデア募集やアンケートの質問の仕方が悪いとか、まとめ方が問題だというような御批判をいただくことを承知の上で言えば、天文台への移転について消極的または反対というのは、私どもの受け止め方は1割弱です。圧倒的な子どもたちは肯定的に受け止めてくれていますし、また将来に対する希望を持ってアイデアを出してくれています。そういう状況であるということをしっかりと申し上げたいというふうに思います。天文台周辺地区の防災機能の向上や商業施設の誘致等への期待など、この構想に対する前向きな意見も多数いただいたということでございます。
 アイデアカードについては、無記名で実施していますので、御指摘のような自然破壊を懸念する児童・生徒を特定して対話を行うことは困難ですけれども、アイデアをいただいた国立天文台周辺土地利用基本構想が確定すれば、おおさわ学園の子どもたちにも説明をして対話を深めるとともに、基本構想のみならず、土地利用整備計画等、今後についても検討の進捗に応じて、子どもたちとの対話をさらに深めていくつもりでございます。
 私からは以上でございます。

◯石井れいこ
ありがとうございます。天文台からいきます。
 先ほど、市長が子どもたちと話されたということで、どうやら全国から集まった子どもたちのようで、それで天文台に行かない子もいたそうです。だけど、自然破壊ということを恐れて集まったそうです。
 あと、やはり竹やぶとか荒れたというのは、手入れをしてないというのはもちろんなんですけど、環境再生医というのがいて、周りにコンクリートがあると、空気の流れとか水の流れができないという問題があるそうなんです。だからそこにガスがたまって、それで蚊が多くなるという問題もあるんです。それと学校建設とは関係ないんですよ。そこにコンクリートの建物を建てると、また流れがなくなる、また自然がなくなる、環境を破壊するという問題があるから、子どもたちは懸念しているわけです。それについてどう思いますか。

●市長(河村 孝さん)
コンクリの建物のお話が出ましたけれども、現在、東京でコンクリの建物がないところがあるんですか。私はそのほうが、そういう建物をどうするつもりなのかということを考えますね。そういう意味でいうと、そういうものを減らす、じゃあどうするのか、全部木造の住宅にする。あるいは、人が住まないほうがいい。地球に80億人もいるんですけれども、この何十年間の間で、恐らく戦後すぐには20億人とか30億人ぐらいでしたよね、記憶で言えば。倍増に近くて今になっているわけでありますが。人類はそういう意味では、様々な科学技術も含めまして、進展によって、そういう食料の保全も含めて今の社会が成立しているわけでありまして、まさに人類が農業をした時点から、最初の自然破壊になったわけです。森がなくなって畑になったり水田になったりすることも含めてです。そういう意味で人類史を見ていったときに、環境の問題を言われるのもいいんですけれども、80億人の地球に住んでいる方々、そして日本において1億人を超える人たちがいることの意味ということをやっぱり考えていかなければいけないというふうに私は思っています。
 そういう意味で、子どもの森とか「百年の森」というのは、にぎわいと自然の両立ということを目指しているわけでありまして、一方だけを言っているわけじゃない。そういう意味で、私たちがもう一度地球の問題について、そして今の社会について考え直すという反省をしながら前に進んでいくしかないというふうに思っているわけです。
 そういう意味で、御質問にもさっきありましたけど、1,000年に一度の災害に備えて何かやることがばかばかしいというような話も子どもたちの意見で紹介されていましたけれども、私は私の立場からいって、令和元年以降、水害がすごく大沢地域で問題になっているというふうに思っていますから、いろいろ調べると、さらに考えてみれば平成17年ぐらいから頻繁に起きている。そういう問題が現在もっともっと頻繁に起きているわけでありますから、今年に入っても、そういう意味では避難所を造らなければいけないような状況が起きているということは、私は1,000年に一度ではない、そのことをしっかり子どもの方ともお話ししたいと思いましたが、ちょっと時間の関係でそこまではいかなかった。今、お話を聞いたら、全国から来ているというお話だとすると、余計私は三鷹の状況について、半分近くの子どもたちが、見てないのにやっぱり不安に思ってしまうという今の状況について、やっぱり根本から考えていかなければいけない。ちゃんと事実を掌握するように情報提供を、保護者の方たちもいらしていたわけでございますから、しっかりと認識してもらう中で考えてもらわなければいけないなというふうに思っています。

◯石井れいこ
では、自然破壊ではないという100%のエビデンスを持ってきてほしいんですが。

●市長(河村 孝さん)
自然破壊ではないなんていうことは、一言も今言っていませんが。

◯石井れいこ
三鷹市は、農地が毎年2ヘクタールずつ減っています。わざわざ天文台の土の部分を減らすというメリットはないと思うんですが、いかがでしょうか。

●市長(河村 孝さん)
生産緑地がなくなるという問題は、相続税の関係とか、また社会的ないろんな複雑な問題があります。その問題に三鷹市は反対していますし、農家の方も反対しています。その中で生まれていることはもちろんありますけれども、同時に今の状況の中で手放さなければいけないとなったときに、じゃあ三鷹市はどういうふうに対応しているかといえば、今回、予算の中で認めていただきましたけれども、牟礼の地域で畑ごと買収したりとかということを含めて行っていますし、そういった中で、開発するにしても緑の多い開発というのがどういうふうになるのかということを私どもとしては追求していきたいというふうに考えておりますから、単純に自然破壊といったら、自然は破壊される、でも人間も自然なんですよ。ですから、そういう意味でいうと、その自然ということの意味を、やっぱり私はしっかりと捉えるべきだというふうに思っています。

◯石井れいこ
今、人が住むところがないから天文台の森に住もうという話じゃなくて、住むところはあって、学校もその場にあるわけで、わざわざそこの土地の土の部分を減らすことはないんじゃないか、コンクリートで埋める必要はないんじゃないかと私は言っていますが、あとは決算でやります。
 あとは、インクルーシブの効果ですが、障がいがあると言われている子の差別解消だけではないんです。障がいの有無に関係なく、誰もが障がいのある当事者意識を持ち、自ら人間と人間のつながりを構築し、自分たちで社会を築いていくなどという自主性も育まれるものだと考えます。今は何が普通なのか分からない時代です。発達障がいも、医師によってはばらばらな診断、もはや普通という基準こそ、そもそも曖昧で社会がつくり出した障壁なのかもしれません。人間は類的な存在なため、個人一人で生きているわけではありません。様々な人たちと影響し合いながら生きています。だから、足並みそろわないあなたはあなたのせいという個人モデルの考え方は、自己責任論につながり、差別を生みます。差別は虐殺や戦争につながります。私は戦争に向かってほしくないから、この話をしています。
 何が言いたいかというと、要するに完璧は難しいかもしれませんが、三鷹市は差別を容認するのか差別したくないのか、どちらに重きを置くかだと思うのですが、いかがでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 差別は生みたくありません。基本はそうです。ただ現状の中で、今、議員がもともと御主張されているフルインクルーシブという形のところに持っていくには、やはりそれなりの時間がかかるだろうし、そういう意味では、先生方も子どもたちも保護者も、そして社会も、どう変わっていくのか、変えていくのかというような方法論とセットで進めていく必要があるかなというふうには考えています。

◯石井れいこ
ありがとうございます。ということで、努力していただけるという認識で合っていますかね。合っていますか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 基本的には、教育委員会としても理念に賛同し、進めていく方向で考えているところです。

◯石井れいこ
ありがとうございます。努力していただけるということだったんですけど、このまま個人モデルをやっていくということでは差別というのは難しいかなと思うので。なぜかというと不登校の子は、個人モデルの考えでいえば、君のせいとなってしまうんですね。だから、A-Roomを考えると、あの場所は個人モデルの考え方なんです。在籍校にまた登校できるように君自身が変わったならば戻っておいで、それまでは取りあえずA-Roomという場所があるよという個人モデルの考え方だと思うんですね。いかがでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 A-Room、三鷹は本当に一番最後のほうに、いわゆる適応支援教室ということでつくった施設でございます。ほかの自治体では随分前からということでやられていたものなんですけれども、基本的には学校に通うということが厳しくなってきた子どもたちにとって、全くもって公的な場面での行く場所というのをどうやって保障してあげることができるかといったところでつくってきたものでございます。個人モデルとか医療モデルというふうに言うこともありますけれども、そういった部分で意図してつくったものではないというふうな理解でいます。
 また、そこの中で不登校の問題というのは、基本的には学校に戻ることだけを目的としているわけではなくて、子どもたち自身がどう社会的に自立に向かって自分らしさを発揮できるかという、そういったところが求められているのであって、学校に戻ることを目標にする子もいますけれども、そうでない子どもも中にいながら生活しているということは御理解いただけたらと思います。

◯石井れいこ
ありがとうございます。意図した問題じゃないから、そこが問題であって、してあげるという上から目線というのが自己モデルということなんです。その自己モデルのことでいうと、教育長がよくおっしゃる「障害」の「害」の漢字を平仮名にしていますという──意識改革で三鷹市はあえて表記されているということなんですけど、それが社会モデルの普及から漢字の害という理論が復活してきて、本人に配慮しているというのは個人モデルに立脚した弁明であると。「障がい」のほうでは、社会が負う責任を矮小化してしまうのだそうです。そして、音声認識ソフトが正しく読み上げないという理由もあるから、漢字のほうが社会モデルなのだと、そういう話もあります。ということで、漢字のほうに戻すことは可能でしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 まだ検討を全くしていないことですし、今のところはそのまま使っていくというふうには考えているところです。

◯石井れいこ
分かりました。御検討のほどよろしくお願いします。
 合理的配慮とわがままについて、よくある話なんですけど、わがままだと思われてしまうと、合理的配慮なのに。そういうのもやっぱり知識の不足だと思うので、先ほど教育長も取組を検討していただくと、大学との教育連携を検討していただくというので、前向きな判断かと思うんですが、もう一度伺います。やっていけいただけそうでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 先ほど教育長のほうの答弁にございましたところですけれども、基本的には理念ということだけで進むのではなくて、子どもたちの実際の体験であったりとか感じ方、そういったことに立脚した形のものでないと、恐らく意味がないかなというふうには思っています。ちょっと様々な形のことで、この部分については研究していきたいというふうに考えています。

◯石井れいこ
分かりました。
 個人モデルと社会モデルの考え方が分からない、合理的配慮というのもなかなか難しい問題です。それはやっぱり専門家に聞くことが一番だと思うんです。分からない人たちが一生懸命研究をしようとしてもなかなか難しい問題だと思うので、その分野に特化した、インクルーシブの分野の研究をされている方に指導を仰ぐというのはいかがでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 専門家にお話を聞くというのは大事なことだというふうに考えています。様々な立場の方がいらっしゃいますので、講師で来ていただく方は、バランスよくいろんな形の様々な観点から検討する必要があるかなというふうには考えています。

◯石井れいこ
ありがとうございます。よろしくお願いします。
 国、自治体の障がい施策関連の委員を多数務める東京大学大学院の教授をされている星加良司氏は次のように言っています。気の毒だけど頑張ってねと障がい者に責任を負わせることが個人モデル、気の毒だから社会の側でサポートしていくよと考えるのが社会モデルと誤解されていることが多いようです。しかし、気の毒な状況が生まれることを前提にしている以上、実はこれはどちらも個人モデルをベースとした考え方なんです。こうした使い方をすることの何がよくないか、それは既に存在している社会の偏りやゆがみを無視したまま、マジョリティーの側の都合だけで改善が進んでしまうリスクがあるからです。マジョリティー側の人にとって障がいの社会モデルを受け入れるのは、実は非常に大変なことです。これまで当たり前だと思っていた環境が自分にとって有利に構築されていたと気づかされるのですから、場合によっては自己肯定感も傷つくでしょうし、自分の持つ特権性に気づきたくないと思う方もいて当然だと思います。でも、この無自覚な偏りに気づいてもらうことからしか始まりません。そうしたプログラムへのネガティブな反応を将来的に減らすためにも、改めて社会モデルを広めていかなければと思いましたとのことです。
 ですので、三鷹の地域をもっとよくしていくために、教育委員会と学校の教職員が社会モデルをどうか学んでもらいたく、理解することからしか始まらないと考えますが、実行できそうでしょうか。もう一度お願いします。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 先ほどからお答えさせていただいているとおり、検討しますというふうにお答えさせていただいているところです。

◯石井れいこ
議会の公務員の本というのがありまして、検討しますというのは、やらないということと一緒だよということが書いてあったので、やる方向で検討していただけたらと思います。
 あと、A-Roomの件なんですけど、A-Roomに来ている子が時間をずらして登校するということなんですけど、視察のときは、恥ずかしいというふうに聞いたんですね、恥ずかしいからって。子どもが生まれて生きていく中で、子ども自身が恥ずかしい存在になることなんてなくて、失敗も成功も何も本人は恥ずかしいことじゃないし、学校に行く選択も行かない選択も許されている。しかし、最初に学校に来てねと就学通知書を送ったのは自治体で、子どもはただその学校に行っただけ。では、その恥ずかしいという気持ちはどこからやってくるのか、何だと思いますか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
個人によって違いがあると思いますけれども、様々な部分で、きっと引け目を感じながら学校に来られている子どももいるのかなと。不登校であるということ自体に対して、どんな形で御家庭の中で保護者の方と話をしているのかとか、周りの子どもから見たら、自分って、先ほどのお話のように普通という形の観念からしたら違うことになっているのかなといった思いというのはあるのかなと思います。
 ただ、A-Roomがあるということ自体は、一中につくるということで、一中の中の子どもたちにとっては、こういう子どもたち来ているからねということは分かった上でのことですから、本人的にはそんな思いはしなくてもいいんだよという形の指導はできるかなとは思っているんですが、やはり先ほどからおっしゃっている社会モデルといったところとの関わりの中では、まだそういうバイアスがあるということ自体は私も理解しているところです。

◯石井れいこ
そうなんですよね。だから、A-Roomというのはそんなに恥ずかしい場所なのか──恥ずかしい場所ではないはずなんですけど、恥ずかしい思いをしているというところで、親御さんだったり、学校のクラスの雰囲気というところにも、やっぱり個人モデルという差別の雰囲気というのがあるのかなと思うので、まずは学校からみんなで社会モデルの教育をしていただけたらと思います。
 そして、給食が出てこない、そして校庭の話なんですけど、校庭は──近くの公園に一緒に連れていくということは可能なんですか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 いわゆるA-Roomに通っている子どもたちから、教室よりもっと広い場所で運動する機会が欲しいという意見があるということも把握しております。今、A-Roomのほうでも近くの公園等で運動できる活動、これができないかなといったことで検討はしているところです。校庭は中学校の場合、授業と授業の間に10分間の休憩で教室移動する時間はありますけれども、昼休みがほとんどになっているので、外で遊ぶということでいうと。なかなかその場面で、大勢の子どもたちが出ているところに一緒にいるというのは難しいという子どもたちなので、何らかの形でそういう運動ができるような状況を整えてあげたいというふうな、A-Roomのスタッフのほうの思いです。
 以上です。

◯石井れいこ
ありがとうございます。コロナによって勉強を追いつかなきゃということで、遊ぶことが足りていないということもあるので、遊びながら学ぶ年頃ですので、そこはどうか御検討のほどよろしくお願いします。
 また、給食に関して先ほどおっしゃいましたが、ぜひとも提供できる──今は給食費無償化になっていて、あと中学校と小学校では違うということなんですけど、隣の南浦小学校の給食ということもできなくはないと思うんですが、いかがでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
先ほどの給食提供の場合ということで、小学校と中学校で摂取カロリーとか、その辺の部分も大分違うということがあって、今のまま一中の給食をそのままということはなかなか難しいというのは、栄養士さんたちのほうから話は伺っているところです。南浦小学校から運ぶかみたいなことも併せて検討はしていければなというふうに思っておりますけれども、いずれにいたしましても実施可能な方法というのはどんなことなのかということをいろいろと少し検討していきながら、何とか実現に向けて動いていきたいなという、そういう思いでいるところです。

◯石井れいこ
ありがとうございます。給食の件についても、いろんな不満とか意見があったらば、市長宛てにお渡しするよということでアンケートを取られたそうなんです。いっぱい書いたそうなんですよ、給食のこともああしてほしい、こうしてほしいとか困り事を書いたんだけど、そのまま何も返事がなく、一体改善されたのかしていないのかも分からないという保護者の声がありまして、その声をどう受け止めているのか、そしてどう改善していくのかを伺えればと思います。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
再質問にお答えいたします。
 今の件については全く承知してない件なんですけれども、今のところそういう状況ですので、今お答えができかねるというふうに理解していただければと思います。

◯石井れいこ
分かりました。アンケートを取るときも、すごく勇気を持ってお母さん、お父さんも書いていると思うんです。一生懸命いっぱい書いたと言っていて、アンケートをもし取るのであれば──市長に渡すというふうに言われたというふうに言っていました。なので、そういうアンケートの取り方、傷つくようなやり方はよくないと思うので、必ず返答を返すとか対話ですね、聞いているだけじゃなくて、今こういう状況ですというのが戻せるような聞き方、そして名前をちゃんと書いてもらうとか、もし書いてなかったから分からないというのであれば、そういうのも記名していただくとか、そういう形でやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。

●教育委員会事務局教育部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局長(松永 透さん)
質問する権利はないんですけれども、全くもってどなたが主催したアンケートなのかということについても私ども把握していないことなので、お答えできかねるし、またアンケートの取り方については、ましてや我々のほうで何かしたということではございませんので、そこだけお話をさせていただきたいと思います。

◯石井れいこ
分かりました。ありがとうございます。
 合理的配慮には対話が必要とされていますので、社会モデルの立場から、対話を通して子どもたちを解放できるよう、皆さんで努力をしていただき、一緒に努力をしていただけたらと思います。ありがとうございます。


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