お知らせ / 議会報告2024/06/27

2024年6月の三鷹市議会(令和6年第2回定例会)石井れいこ一般質問「「樹木」も「人」も「命」が大切にされるまちづくり、わくわくする庭園都市を軸とした都市・地域の再生を」

2024年6月の三鷹市議会(令和6年第2回定例会)石井れいこ一般質問「「樹木」も「人」も「命」が大切にされるまちづくり、わくわくする庭園都市を軸とした都市・地域の再生を」

三鷹市議会(令和6年第2回定例会)

2024年6月7日 石井れいこ一般質問【動画】

テーマ:「樹木」も「人」も「命」が大切にされるまちづくり、わくわくする庭園都市を軸とした都市・地域の再生を

1.街路樹と学校樹木について
2.継承される技術と緑でつくる賑わいの創出について


以下2024/6/7 令和6年第2回定例会(第1号)の私の一般質問の全文です。

2024-6-7:三鷹市議会令和6年第2回定例会(第1号) 本文

市政に関する一般質問

◯石井れいこ
「樹木」も「人」も「命」が大切にされるまちづくり、わくわくする庭園都市を軸とした都市・地域の再生を。
 第4期三鷹市地球温暖化対策実行計画には、温暖化と都市化によるヒートアイランド現象の影響により、1977年から2021年の日平均気温によると、三鷹市周辺は、過去44年の間で、特に最高気温は2から3度の上昇傾向にあり、熱中症の被害拡大が懸念されるとある。市民の健康と命、エアコンの使用料金を想像すると、一番身近な自治体としては、広報で注意を呼びかける以外にも、ほかに手を差し伸べられることはないかと考える。
 夏場の日中にはアスファルトの路面温度が50から60度にまで上がり、ため込んだ熱を夜間も放出し続け、熱帯夜が引き起こされるが、樹冠被覆率を増やすことによって、アスファルトの路面温度を約20度も下げられるという。樹冠被覆率とは、一定面積の地面に対して樹冠という、樹木の枝葉が高く長く伸び、冠のように街路を覆うことによって、緑陰効果、緑の日傘が得られる部分の割合のことをいう。
 諸外国では、温暖化が進む世界に人間が適応していくために、樹冠被覆率を増やす取組がなされている。アメリカ・ニューヨーク市では、2035年までに少なくとも樹冠被覆率を30%に引き上げることを目指し、オーストラリア・メルボルン市では2040年までに40%にするという目標を掲げ、フランスのリヨンでは樹木憲章が定められ、車の車線を減らしてでも街路樹を増やしているというが、日本はまだ設定もされていないため、三鷹市もこの点を認識していないと推察する。
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校で環境問題を研究するエディス・デ・グズマンの研究によると、木陰を50%増やせば、猛暑のせいで緊急救命室に送られる患者数を19から58%減らせるという。今後さらに猛暑日が増えるということも予測されているので、行動を起こすなら今しかないという。熱い地面から一番顔が近いのは、小さな子どもたちや車椅子の方、犬や猫などである。緑でつくるにぎわいとうたっていても、人工芝など、上空から写した色が緑なだけでは、太陽がさんさんと熱く、冷却効果や日陰がなければ人は出歩かない。都市の樹木の環境的価値を高め、豊かな都市をつくっていこうとするアーバンフォレストの概念においては、木陰があれば、立ち話もしやすく、失われつつあるコミュニティの醸成にも資するとされている。
 環境植栽学、造園学について幅広く研究している街路樹研究の第一人者、千葉大学名誉教授の藤井英二郎氏(以下「藤井教授」という。)によると、畑が多かった影響か、三鷹市の土壌はとてもよいそうで、行政のきちんとした知識と技術があれば、樹冠被覆率を増やせる可能性は十分にあり、宝となるような街路樹を増やせる可能性も十分にあるという。その恵まれた土壌と緑と水の公園都市といううたい文句を最大限生かし、地域の課題や問題を緑により解消し、三鷹のまちにさらなる魅力とブランド力をつける取組に変えていくべきと考え、質問と提案をする。
 質問1、市道に街路樹を植える目的と効果について伺う。
 先日、中学校の体育大会に伺わせていただきましたが、木はあるものの木陰はなく、保護者の方々は長時間暑そうにされていました。
 質問2、同様に、市立小・中学校に樹木を植える目的や効果、剪定を行う基準について伺う。
 見事な街路樹として有名な仙台市の街路樹は、毎年調査、観察するものの、無駄な剪定はせず、樹木の様子を見ながら、3から6年に一度剪定を行うそうだ。
 質問3、市道の街路樹の年間の剪定回数と委託経費について伺う。
 質問4、同様に、市立小・中学校の樹木について、年間の剪定回数と委託経費を伺う。
 質問5、剪定業務を委託している業者が、希望とは違う枝を切ってしまうことはないのか。業者による市道の街路樹剪定業務の履行結果の確認について伺う。
 質問6、同様に、市立小・中学校における業者の剪定業務の履行結果の確認の状況について伺う。
 質問7、市職員にも、樹木剪定ができる職員はいるか。また、剪定研修は行われているか。
 質問8、同様に、市立小・中学校に樹木剪定ができる職員はいるか、また剪定研修は行われているか伺う。
 質問9、仙台市では年1回は市道の街路樹を樹木医の会社が調査に回るそうだが、樹木医による年間の市道の街路樹の診断と調査件数や内容について伺う。
 質問10、同様に、市立小・中学校の樹木医による診断と調査の状況を伺う。
 質問11、市道の街路樹についての管理方針やマニュアルはあるか伺う。
 質問12、同様に、市立小・中学校の樹木の管理方針やマニュアルはあるか伺う。
 質問13、若い樹木を支える金属製の支柱を抜くタイミングが遅いと、幹がめり込み、根にも負担がかかってしまう。いつまでも残り続ける支柱を見かけるが、中央通りでは枯れ木もあるが、なぜ支柱を残し、食い込むまで抜くタイミングが遅くなるのか伺う。
 藤井教授によると、太い枝を短く切り詰めたり、多くの枝や芽を切り落とす行為、強剪定された樹木を人間が見ると、私たちは無意識に心が痛み、ストレスを感じているという調査結果も出ている。また、強剪定された樹木は比例して根が弱るため、腐朽菌が入り、病気になってしまったり、枯れやすくなるという。
 質問14、今年、2024年の桜の時期を迎える前に、都道三鷹通りで桜の木の強剪定が行われた。多くの悲しむ市民の声が私のところにも届いたが、市としては都に対してどのような形でその声を伝えるのか、また今後どのような対応を検討しているのか伺う。
 この三鷹市における街路樹は、日陰になるものもほぼなく、むしろ早く樹木を病気にさせたり、枯れやすくしてしまう強剪定を続けている。
 質問15、同様に、むらさき橋通り、かえで通りや中央通り、天神山通り等の三鷹市の街路樹も強剪定されているが、その理由を伺う。
 質問16、強剪定をやめてほしいという要望を市役所に電話すると、クレーマー扱いされたという市民からの声がある。こうした市民の声をどのようにまちづくりに反映していくのか伺う。
 質問17、三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業は、市全体を緑あふれるまち並みとする「百年の森」構想の実現と子どもの森をコンセプトにしている。市民からは、「百年の森」構想の具体的な進め方を市に問い合わせても分からない、再開発で建物を建てるよりも、先に中央通りや周辺の市道を立派な緑の日傘ができる並木道にすべきではないかという声も出てきている。緑は人を呼び、にぎわいの創出につながると考えるが、所見を伺う。
 (2)、継承される技術と緑でつくるにぎわいの創出について。
 フランス北西部にあるナント市は、まち全体が庭園のようで、緑のアートで楽しめる仕掛けにあふれ、人口約30万人に対して、植木や植物の維持管理をする公務員の庭師、直営技師が300人いる。直営技師は、市民に緑で夢を提供することを使命としている。「百年の森」とは、100年後も受け継がれる庭師の職人技があってこそ続く森であり、市民から愛される森になると同時に、にぎわいも創出されると考える。ナント市は、フランス国内で最も住みやすい都市と呼ばれるようにまでなった。まさに都市や地域は、創造力を生かすことにより、確実によみがえることが可能であることを実証しており、三鷹市も創造都市にふさわしい、このような庭園都市としての価値を高め、人も技術も高まっていくまちづくりに転換すべきと考える。
 ナント市の植物園の利用者数は、大きなひよこのトピアリーが出没するようになってからというもの急増し、4年間で100万人から200万人へと2倍に増えたほどだ。ツゲなどの植物で造られた大きなひよこは、毎年、市内の各所で様々な眠り方で寝ている。大の字に寝たり、巨大なベンチの足にクッションにもたれかかって寝ていたり、まるで本当に動き出しそうなアート。まちの人々は、その大きなひよこを探し、そのひよこの横で眠る子もいるそうだ。そういった遊び心、笑いや驚きは、市民に幸せを届け、市民に愛されるまちになるそうだ。
 質問18、緑と水の公園都市、「百年の森」構想、子どもの森、緑でつくるにぎわいなどの言葉だけではなく、このように三鷹市全体がわくわくするような、人々が幸せを感じられる緑を生かしたまちづくりを実現するためには、ナント市の直営技師のような専門職の職員や市内全体の植物の総監督、管理をする部署が必要になると考えるが、所見を伺う。
 質問19、市の専門職員がいる植物専門部署の設置が難しい場合、例えば三鷹市の外郭団体の花と緑のまち三鷹創造協会において、ガーデニング技術だけでなく、街路樹の知識や剪定の技術を持つ人材や樹木医の専門職も増やすなど、技術運営チーム体制を強化すべきと考えるが、所見を伺う。
 以上となります。よろしくお願いいたします。

●市長(河村 孝さん)
私のほうから幾つか御答弁させていただきます。
 ナント市の市の歴史がどういうふうになっているのかよく分からないので、規模も比較のしようがないんですけれども、すばらしい政策をしているなということは感じました。ぜひ三鷹も、言葉だけではなくて、さらに実体を持って、そういう緑と水にあふれるいいまちにしたいと思いますが、なかなか成り立ちが違うので、道幅も狭くて、街路樹自体が三鷹は幹線道路になかなか植えられないんですよね。ですから、そういう狭い幅員の中で、御指摘のように、街路樹が植えられているところもありますが、一定程度やっぱり剪定とか、そういうものをしないと、交通事情もありますので、今までも、緑が多い、あるいは桜の通り道にするのであっても、枝が伸びていて車とぶつかるとか、あるいは自転車で走っていると、やっぱりそこにぶつかるという話で、そういう苦情も幾つも届いていますので、一定程度の剪定を──強剪定はなるべく避けるようにしていますけれども、やっぱり求められてしまう。それも同じ市民の皆さんの声でありますので、そういうバランスを見ながらしていきたいなというふうに思っています。道路の幅員がしっかり幅が持てるところは、ほかのまちの事例になりますけども、かなり、三鷹だったらなかなか街路樹を植えられない生活道路なんだけれども、そういうところでもしっかり植えているところはあります、確かに。私はやっぱりそういう意味では、そうしたまちに近づきたいと思っていますけども、御承知のように、道路の拡張整備というのは物すごく時間がかかるものでありまして、お金も予算も取られますから、そういうこともぜひ一定程度覚悟していただきたいというふうなことはまずもって申し上げたいというふうに思います。
 まず、御質問の1、ここに私は御答弁させていただきたいと思いますが、市道に街路樹を植える目的と効果についてでございます。
 もう概略、質問の中でもいろいろ言われているように、様々な効果があります。景観、環境、交通安全、防災、そういった各視点を充実させていくために、街路樹の持っている効果は非常に大きいものだというふうに思っています。安らぎや癒やし、それは心の豊かさをもたらす効果がありますので、ぜひそういう街路樹をしっかりと植えていくまちづくりをしていきたいと思いますが、同時に、御質問にもありましたけれども、畑をなるべく残しておく、そういったまちづくりも必要でありますし、公園という形で緑の固まりをつくっていくことも行政としては非常に必要だというふうに思っています。一方で、街路樹の成長に伴いまして、倒木や枝が落ちたりということで、道路を通行する車両や歩行者等への被害があります。今、先ほど申し上げましたように、それを未然に防ぐために、定期的な剪定が一定程度必要になる。フランスの場合、ナント市でしたっけ、そういうこと、気象状況もまた違うところもありまして、台風等のゲリラ豪雨とか、そういうところに対応しなければいけないという日本の自治体としての状況もありますので、そういう剪定も要求されてくるということはぜひ御承知していただきたいなというふうに思っています。
 私からは以上でございます。

●教育長(貝ノ瀬滋さん)
それでは、私からは、学校での樹木を植える目的、効果、剪定基準についてお答えいたします。
 学校に樹木を植えるということにつきましては、これは今市長のほうからも街路樹の効果というようなことでお話がありましたけど、それとほとんどかぶっておりますけど、児童・生徒の心理的な安らぎですとかストレス低減、これはもう当然、学習環境の向上を図るということで非常に有意義だというふうに思います。野外活動での日陰によって、熱中症対策などの目的もあると。そして、樹木を通じた環境保護、自然への理解を育むといった環境教育にもつながるという、そういう効果もあるというふうに認識しています。
 樹木の剪定基準につきましては、学校及び周辺の良好な環境を維持するために、樹木全体の自然形を損なわないように、樹木の育成に支障のない範囲で通行人や建物、電線などの安全確保を考慮して実施することとしています。ただ木を切ればいい、枝を切ればいいというふうなことではもちろんなくて、これはもう本当に、住宅がたくさん学校の周りにあるところについては、学校は非常に、運動会等で御覧いただいたように樹木が制約されているというふうなことは実態としてありますけど、ただ私も過去に校長をした経験からすると、樹木も大変にありがたいんですけど、やはり秋になると落ち葉になるとか、それからイチョウなどはギンナンで臭いとかというふうなことだとか、それから桜も、これはもう一時期とても美しいんですけど、やはり桜も散りますので、苦情が結構ございまして、庭までは入りませんでしたけど、隣接している御家庭の私道のほうには、申し訳なかったんですけど、用務主事さんに出かけてもらって私道を掃除してもらうとかというふうなことで、いろいろ難しいこともございますけれども、全体としては、やはり樹木、森の学校というような自然豊かな学校というのは、これは本当に理想的ですので、そういったふうなことで進められるように、剪定についても十分配慮した剪定を行っていくというふうにしていきたいというふうに考えています。
 私からは以上でございます。

●都市整備部調整担当部長(高橋靖和さん)
私からは、市長の答弁に補足しまして、質問の3番目から順次お答えいたします。
 質問の3番目、市道の街路樹の年間の剪定回数と委託経費について、それから質問の5番目、業者による街路樹剪定業務の履行結果の確認状況について、質問の7番目、樹木剪定ができる市職員及び研修について、一括して答弁いたします。
 街路樹の管理につきましては、市内を東西の2ブロックに分けて業務委託を実施しており、中高木の街路樹の剪定は年1回行っています。また、計画的な剪定とは別に、樹木の育成状況を踏まえ、必要に応じて剪定作業を行っています。令和6年度は、街路樹の管理委託料として、その他経費を含めまして、全体で約6,100万円の予算を計上しております。
 委託業者による剪定業務終了後には、写真報告により、適正に業務が履行されているかを確認するとともに、作業中も担当職員による現場確認や道路パトロールによる巡回などで適宜委託業者の履行状況の確認を行っています。
 また、高所作業を伴わない樹木の剪定作業につきましては、市職員で行う場合もあります。職場内で経験豊富な職員からの指導や剪定の基礎知識の共有などを行い、作業を通して技術の継承を図っています。また、必要に応じて、樹木医の資格を有する専門家からアドバイスを受けながら剪定作業を行っております。
 続きまして、質問の9番目、樹木医による年間の街路樹の診断と調査件数や内容について、質問の11番目、街路樹についての管理方針やマニュアルについて、一括して答弁いたします。
 街路樹診断は、活力の衰えた樹木や倒木、幹折れ、枝折れなどの危険性がある樹木を早期に発見し、適切な処置を施すことにより、樹木の健全な育成を図り、樹木による事故を防止することを目的に行っております。街路樹診断につきましては、令和3年度は100本、令和4年度は96本、令和5年度は74本の調査を行っており、令和6年度は86本の調査を予定しています。診断は、まず外観診断を行い、キノコの発生や根元の揺らぎなどがある場合には、必要に応じて機械を用いた機器診断を行います。診断により、樹木の健全度や腐朽状況等に応じて4段階で評価判定されます。また、街路樹の維持管理につきましては、歩行者や車両の安全な通行を確保するため、樹木の生育や特徴などを考慮しつつ、交通や沿道の住宅等の支障とならないよう剪定作業を実施していますが、管理方針及び指針マニュアルまでは策定していません。
 続きまして、質問の13番目、支柱を撤去するタイミングについてです。樹木に設置されている支柱は、強風による倒伏防止や揺れにくくすることによる根の定着促進、屈折、幹折れ防止などのために設置しているもので、街路樹の植栽時に不可欠なものです。根が定着した後、支柱を撤去する必要がありますが、御指摘のように、長い期間設置されたままの箇所も見受けられることから、樹木の育成状況を確認し、必要に応じて撤去いたします。
 続きまして、質問の14番目、都道三鷹通りの桜の木の強剪定における東京都への対応について、質問の15番目、三鷹市の街路樹の強剪定について、一括して答弁いたします。
 三鷹通りの桜の木の剪定につきましては、道路管理者である東京都に直接問合せや御意見等が寄せられたと聞いています。また、市に寄せられた御意見等につきましては、適宜東京都へ報告しているところでございます。今後、東京都に対して、必要に応じて市へ事前に情報提供を行うことや丁寧な周知、きめ細やかな樹木管理について働きかけていきたいと考えています。
 市の街路樹の剪定につきましては、交通の支障とならないよう、通過車両や歩行者等に接触する枝、信号機や標識、道路照明等を隠してしまう枝葉、隣地に越境した枝などの回収を図っていることから、一部強めの剪定を行う場合もあります。
 続きまして、質問の16番目、市民の声をまちづくりに反映させることについてです。市民の皆さんから寄せられる声は、業務を振り返り検証するよい機会であると捉えております。市に寄せられた御意見に対しては真摯に受け止め、状況の確認や対話等を行いながら、業務の見直しやまちづくりに生かしていきたいと考えています。今後も車両や歩行者等の安全確保を図るとともに、街路樹の目的と効果を再認識し、緑と水の公園都市を目指し取り組んでいきたいと考えています。
 私からは以上です。

●教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん)
私から、学校樹木について順次お答えいたします。
 質問の4番目、年間の樹木剪定回数と委託経費についてです。各校の計画的な剪定は、小・中学校22校を3か年に分けて樹木剪定等業務を委託により実施しております。令和5年度は、小学校5校及び中学校3校を対象に実施し、委託料の合計は1,947万円となりました。また、計画的な剪定とは別に、樹木の育成状況を踏まえた緊急対応としての対応は、年度内に計9回、241万円の剪定等を実施しました。
 続きまして、質問の6番目、剪定業務実績の確認状況についてです。事業者による剪定業務終了後、写真報告により、適正に業務が履行されているかを確認しております。また、剪定を実施する中で、各樹木の健全度を4段階で判定した結果を併せて報告させておりまして、この報告に基づき、不健全や被害の大きい樹木から順次、緊急対応の剪定の実施や、また病気部分の除去などにつなげております。
 質問の8番目、樹木剪定ができる職員や剪定研修の実施の有無についてです。市立小・中学校に配置している用務員は、基本的に業務として小規模な樹木剪定を行うこととなっており、用務員の業務マニュアルの中で樹木剪定の作業手順などを定めております。また、年1回、夏期研修の中では、樹木剪定の研修を実施しております。
 質問の10番目、樹木医による診断と調査の状況についてです。樹木医による診断、調査は、計画的には実施しておりません。樹木の調査は、樹木剪定等の業務において1本ごとの健全性を判断し対応しておりますが、今後、樹木医による診断が必要となった場合には検討してまいります。
 最後です。質問の12番目、樹木の管理方針やマニュアルについてです。学校の樹木の管理方針やマニュアルは定めておりませんが、樹木剪定等業務の委託仕様書において、剪定の方針として、全体の自然形を損なわないようにし、かつ育成に支障のない範囲で剪定を行うとともに通風も考慮することと記載するとともに、剪定対象の枝につきましては、樹木育成に支障となる不健全な枝の種別、害虫や病原菌による被害を受けている枝などを具体的に示しているところでございます。
 以上です。

●都市再生部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤大輔さん)
私からは、市長の答弁に補足をしまして、質問の17番目、「百年の森」構想の実現に向けた進め方について答弁いたします。
 三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業では、「百年の森」構想の実現への第一歩として、三鷹らしい緑とにぎわいがあふれる子どもの森を目指し、緑と水の公園都市につなげていきたいと考えております。「百年の森」構想は、駅前再開発事業のコンセプトである子どもの森を拠点に緑の空間を増やし、まちのにぎわいを創出しながら、市内全体の様々な緑を徐々につなぎ、緑豊かなまちへ変えていく構想です。この構想の実現に当たっては、今ある建物の建て替えに合わせて新たな建物の足元周りに緑のスペースを創出したいと考えています。また、建物の屋上や壁面に緑化を施すことなど、緑化に向けた様々な仕組みや制度、支援策を検討し、市民参加を誘導しながら緑を増やしていきたいと考えております。
 私からは以上です。

●都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)
私からは、質問の18番目、専門職員による市内全体の植物を管理する部署について、質問の19番目、樹木の知識や剪定の技術に係る体制の強化につきまして御答弁させていただきます。
 市の職員の中には、緑の知識や技術を有した職員も配置されており、それぞれの部署において、関係部署と調整を図りながら、緑を生かしたまちづくりに取り組んでおります。
 職員の樹木に関する知識など、専門性の向上につきましては、緑に関わる専門職員からのOJTによる技術の継承、研修、資格取得に係る経費助成などにより取り組んでおります。また、近年では、樹木医補を持った職員を採用してきております。また、花と緑のまち三鷹創造協会では、秋から冬にかけて、樹木の剪定など、適切な樹木管理についての連続講座を実施しており、ボランティアの育成と技術の向上を目指すとともに、講座を通しまして、協会職員の指導力、技術力の向上も図っているところでございます。今後も、花と緑のまち三鷹創造協会とも連携しながら、樹木の知識や剪定の技術を持つ人材の育成を図るよう取り組んでいきたいと考えております。
 技術運営チームの体制の強化等につきましては、施設管理全体としての在り方を検討していく上での課題の1つとして捉えていきたいと考えております。
 答弁は以上です。

◯石井れいこ
先ほど、日本の、三鷹の環境は台風があるというふうに市長は言っていたんですけど、これ、中国でも韓国でもされていることなんですよ。アメリカのハリケーンも関係していて、日本だと仙台市というのもすごく樹木に取り組んでいて、樹冠被覆率というのをすごく高めているというのがあるんですね。その知識をみんなどんどんどんどん広げていかなきゃいけない。だから、別に日本だからということとは関係ないんです。
 あとは、小・中学校のやつですね。ストレス低減になるというふうにおっしゃっていたんですけど、でも樹木を強剪定してしまうとストレスがかかってしまう、それを見た人はストレスと感じるというのが調査であって、子どもたちにとっては、その樹木、強剪定されている樹木を見ることは、すごく心理的にストレスを抱えていると──見えないものですけどね。あとは、日陰にならない。せっかく木があるのに、樹冠被覆率で大きく陰をつくることで地面の温度を下げてあげるという、だから子どもたちに日陰に入りなさいと、建物に入りなさいと言うことだけじゃなくって、緑でつくってあげることというのはすごく大事かなと思いました。そういう意味で、むやみやたらに切らないでほしいなという、そこの知識も増やしていってほしいと思うんですけど、樹冠被覆率を上げるための最小限の剪定にとどめられるように、担当者がプロフェッショナルになる、知識を得ることを要望するんですが、いかがでしょうか。

●教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん)
学校樹木についての再質問についてお答えします。
 議員おっしゃるように、やっぱり緑というのは、日陰で涼むということは非常に大切なことだと思っておりますので、先ほども申し上げましたように、仕様書では、全体の自然形を極力損なわないようにということを基本的な剪定の方針として委託契約のほうで示していますので、そこについては業者に対してしっかり指導してまいりたいと思います。

◯石井れいこ
ありがとうございます。結構つんつるてんになっていて、私がこの間見たら。それで、幹から葉っぱが生えちゃっている状態になっていたんで、それはよろしくお願いします。
 三鷹市議会の過去の会議録も拝見させていただいたんですが、市民も市議会も、街路樹への価値が統一されていないことが気になりました。三鷹市自身も、街路樹の大切さ、経済的価値の理解がないという点が気になりました。このままだと大切な社会資源が失われるのではないかと。
 まず、アメリカで計算されている都市樹木の費用対効果というのがあるんですが、樹木は二酸化炭素を吸収し、固定したり、大気を浄化したり、木陰をつくり、水分蒸発してヒートアイランド現象を緩和したりと、周辺環境にもよい効果をもたらす生態系サービスという価値、そして美観や人々の健康に対する価値が貨幣換算される効果。費用は、植栽維持管理及び撤去の金額。効果を費用で割った割合で算出されます。ノースダコタ州ビスマルク市で3.09でした。つまり、1万円街路樹に投資すれば、3万900円の見返りがあるということ。また、オレゴン州ポートランド市では、街路樹のある場所とない場所との土地の価格を比較して、街路樹の価値を調査した報告があるんですが、街路樹の存在により土地の価格は市全体で13.5億ドル高くなり、1,530万ドルの税収増につながっているとのことで、これは毎年の街路樹の維持管理費用の3.3倍にも相当するそうです。このように、貨幣換算された街路樹などの都市樹木の価値を市民に向けてPRし、アーバンフォレストの計画や街路樹の施策を進めているそうです。例えばバス停やバス駐留所、バス内、まちなかの看板、樹木の価値をアピールしたり、樹木に、樹木がもたらす便益を記した大きなタグを取り付けたり、工夫を凝らしているアプローチが見られていると。市のホームページでも、樹冠の大きさが検索できて、育成状況も見られるようになっていると。これは市民の視点で利用しやすい構成となっており、市民と共につくり上げていくということです。
 三鷹市は年間、樹木の剪定だけだと2,000万ぐらいなんですよね、使っているんですけど、でも強剪定をしているということは、この考え方からいくと、マイナスを生んでいると、経済的にはマイナスを、損失をしているのかなと思うんですけど、三鷹市民からお話を伺うと、駅前再開発を望んでいるというよりは、本当はただ三鷹ににぎわいが欲しいということなんですね。ですから、この樹木に投資すべきと考えるんですが、いかがでしょうか。

●都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)
ただいまの再質問にお答えをいたします。
 おっしゃるとおり、にぎわい──緑のいろいろな効果というのは大変あるというふうには理解をしております。ただ、経済効果みたいなところでの試算がありましたけども、やっぱりそれはそれぞれの、ヨーロッパですとか、そういったところですと、緑に対する──気候も違いますので、それぞれやっぱり価値観というのは違っているということなので、一律にそれが日本で評価できるかというと、それは違うのかなとは思っておりますけども、ただ一方で、にぎわいと緑ということが相反しないということを我々は思っております。そういった緑、そういった空間、そういったものが人を呼ぶということはありますので、それはいろんな経済的な部分も含めて、緑と事業、いろんな事業について、バランスを取りながら進めてまいりたいというふうに思っております。

◯石井れいこ
ありがとうございます。緑というと、どうしても何ていうか、横の壁側につけますとか、ちょっと植木をやりますということなんですけど、お願いなので、この樹冠被覆率という、樹木の高さと冠になるような考えを持っていただけるとありがたいなと思います。
 諸外国では、家の前に街路樹があれば、自分で落ち葉を清掃するのが当たり前で、清掃してもらいたい場合はお金を払うというふうになっているそうです。街路樹、樹木に対する価値観が全然違って、道路の添え木という価値観じゃなくて、樹木があるから安全運転になる、樹木があるから歩道の歩く場所が危険ではない、樹木があるから癒やされる、樹木があるから人が集まりやすい、夏場の温度を下げる。樹木のお金にはならない価値が諸外国では理解できていると。街路樹に対する重要性が全く違うということで、街路樹は社会資本、街路樹は市民の財産であり、共有財産であると。
 京都の例なんですけど、京都市では現在、建物は個人所有の財産だが景観は公共の財産という考え方をベースに独自の景観対策を実施していると。だから、樹木に対しても共有の財産というふうに考えることができると思うんですよね。このように、落ち葉、街路樹の価値を条例にしっかりと記して、その価値によって三鷹市が存在するんだということを打ち立てていかないと、市の方向性がぶれてしまう。熱中症も増やして、樹木もなくなり、何も残らないと思うのですが、いかがでしょうか。

●市長(河村 孝さん)
家の前、あるいは家の中の樹木でも、落ち葉が外に出たときには、日本でも、かつては自分の家の前は自分で掃いていた。今でも続いているおうちはたくさんあると思いますが、そういうように考えていたし、里山というような、村落とか、そういうところで共有している緑というのはあったわけです。ですから、それが逆に言うと、お金で換算するということでもって──財産なんですよ、お金、たくさんメリットありますよという言い方ではなくて、本来的にはですよ、お金で見えないものでもって実はまちは構成されている、あるいは国が構成されているという、そういう問題意識に変わるべきだと思うんですよね。文化とか伝統だとか、あるいは愛情とかいうものは全部、お金で換算して将来的に返ってきますよじゃない、そういう話の部分が社会にはすごくあるわけです。それが失われつつあって、今まさに復元しなきゃいけないという問題意識はほぼ同じです。ヨーロッパにだけあるわけじゃない。カナダにあるだけじゃない。日本にもまだまだそういうところはたくさんあるし、恐らく田舎に行けばもっともっとそういう感じがあるんじゃないかと思っていますので、私はそういう、まちづくりの基点に、お金で換算できないものの価値がまちづくりの中にある。それがまさにコミュニティづくりの最初の基盤ですよね。だから、それを単に全部社会化してお金に換えていけばいい──政策、自治体というところで全部お金を出してサービスしていけばいいという話じゃない。そういうところのことは、ですからそういう意味でいうと、条例という話もありましたけど、条例になじむのかなという感じもします。そういうことも検討しますけれども、おっしゃる問題意識の出発点はそんなに変わらないです。私も強剪定には──場所によりますけどね、その樹木の状態によりますけれども、一律に切っていくとかということはないほうがいいと思います。ただ、今の現時点では、安全性の問題とか、そういうことも横にらみしながら、しっかり調べて、御指摘のように精査していく必要があるだろうなということは、そこもあんまり変わらないと思っています。よろしくお願いします。

◯石井れいこ
ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いします。三鷹市緑と水の保全及び創出に関する条例にも、落ち葉に対する皆さんの考え方ももうちょっと柔軟にというふうに書いてあるので、そこら辺も伝えていっていただけるとありがたいかなと思うのと、あと造園業者、三鷹市の造園業者の方とお話ししたというのを伺ったんですけど、市民が。そうすると、造園業者さんの考えとしては、樹冠を大きくして、じゃあ、それが折れちゃったらどうするんだと。だったらば、そんなのは要らなくて、細い木を植えておけばいいじゃないかという造園業者さんの考え方があるんですよね。なので、造園業者さんは、もう切っちゃえ、切っちゃえ、切っちゃえという考え方があるので、三鷹市としては、しっかりとした、なぜ切らないのかという、何のためにあるのかというのをもうちょっとしっかり言っていかないと、造園業者さんとしてはそういう考えがあるので、気をつけていただきたいなと思ったので、条例とか樹木憲章とかそういうのをつくっていただけたらありがたいと思いました。
 あと、仙台市の事例です。仙台は、百年の杜というふうに言われているんですね。百年の杜づくりとは、伝統ある杜の都の風土を生かして、市民、市民活動団体、事業者、行政が協働して、100年という時を味方に、「みどりと共生する都市」を創造し、未来へ継承していく取組だそうです。仙台市青葉区は30万人の都市なんですけど、ここの公園課に計30人ほどの街路樹の専門担当者がいるんですね。この担当者、必ず宮城県の樹木医の方から剪定講習と、あと街路樹健全度講習を必ず受けなきゃいけない。受注する側も、発注する側も、必ずしなきゃいけないということが決まっているそうなんですね。これも三鷹市に取り入れてほしいです。仙台市は、市の職員が自ら木に登って見本剪定をするそうなんですね。これをするのは仙台市だけだと言われていて、だけど木に登ると、木の枝の伸び方がよく分かると、理解できるというふうになっているそうなので、同じ「百年の森」を言っているんであれば、この仙台市のように、もっと樹木に対しての知識をつけていただきたいなと思います。剪定回数は3年から6年に一度──街路樹マニュアルがちゃんとあるんですね。すごい、何個も街路樹についての資料があるんです。剪定方法も書いてあるんです。そういうのを三鷹市は作っていくべきだと思います。そうしないと、言っているだけなんですよね。森をつくりますと言ったって、どうつくっていくのかが分かっていないということになるので、ちゃんと体制をつくってもらいたいなと思います。三鷹市の行政も造園業者も、みんな頑張っているとは思うんですけど、樹木を生かすという知識がないという点が問題だと思うので、必ず剪定講習と研修会はマストとしてほしいということです。マニュアルを作ってほしいということです。あとは専門部署をつくってほしいということです。
 2021年の話なんですけど──あっ、ちょっと時間がないのでやめます。すみません。なので、ちょっとトピアリーの話がありましたけど、やっぱり笑い、驚き、そういうのも子どもたちには喜びがあると思うので、こういうのをPokiでやってもいいと思うんですよね。三鷹に突如出現するというものを造っていくというのをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 なので、そうですね。強剪定はやめてくださいということですが、しないようにしていただけるようにお願いできますでしょうか。両方とも、学校と街路樹のほう。

●都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)
ただいまの再質問にお答えいたします。
 それぞれの樹木の状況や特性、周辺の環境によりまして、剪定はしていく必要があるかと思います。一方で、おっしゃるとおり、街路樹も含めて、緑の質を上げていくということが必要だと思いますので、そういったような、今御指摘のありました剪定の考え方ですとかマニュアルとか、そういったものを通しまして、まず造園業者さんを含め、市の職員も含めて、共通したイメージ、目標樹形、そういったものを持てるような形、そういったところで進めていきたいなというふうに考えております。

●教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん)
学校樹木についても、緑を守るという視点で、これについては今後対応していきたいと思います。


■【れいわ三鷹サポーター募集】

是非私たちと一緒に活動をしましょう!
仲間はいつでも募集してます。
サポーター登録はこちら

■ご寄付はこちら↓
活動にはチラシ代、ポスティング代、活動費等どうしてもお金もかかります。れいわ新選組を拡げるお力貸してください。
ご寄付はこちらから


■【公式SNS】でも情報を発信してます。
是非ともフォローやいいね!よろしくお願いいたします。